戸田奈津子(映画翻訳)の伝説誤訳まとめ!英語力や評判は?

映画翻訳や、トムクルーズなどハリウッドスターの通訳としても活躍している戸田奈津子さんですが、誤訳が多いことでも知られています。”字幕の女王”と呼ばれていた戸田奈津子さんが”誤訳の女王”と呼ばれるようになってしまった誤訳騒動や、名言の数々をご紹介します。

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目次

  1. 1戸田奈津子のプロフィール
  2. 2戸田奈津子の伝説誤訳とは
  3. 3戸田奈津子の英語力は?
  4. 4戸田奈津子の評判について
  5. 5戸田奈津子の名言
  6. 6戸田奈津子は誤訳もあるが日本を代表する映画翻訳家

戸田奈津子のプロフィール

・愛称:字幕の女王、誤訳の女王
・本名:戸田奈津子
・生年月日:1936年7月3日
・年齢:86歳(2022年9月現在)
・出身地:東京都
・血液型:B型
・身長:不明
・体重:不明
・事務所:フリー
・所属グループ:なし
・活動内容:映画字幕翻訳家、通訳
・家族構成:独身

戸田奈津子の経歴

学生時代に映画鑑賞が趣味だった戸田奈津子さんは、自分の見ている映画の言葉を理解したいと思うようになり、英語を勉強し、映画翻訳の仕事を目指します。翻訳のアルバイトの経験を経て、本格的に映画翻訳の仕事に携わるようになり、今では日本を代表する翻訳家として活躍しています。

またトムクルーズなどハリウッドスターからのご指名で通訳を担当することも多く、数々のスターたちとプライベートでも親交があるほど厚い信頼を得ています。しかし一方で誤訳が多いことで映画ファンから批判を浴びることもある戸田奈津子さん。今回は戸田奈津子さんの誤訳騒動についてまとめてみました。

戸田奈津子の伝説誤訳とは

数々の洋画の字幕翻訳を担当し日本の映画界には欠かせない存在となった戸田奈津子さんですが、実は戸田奈津子さんが翻訳した映画字幕には数々の誤訳があると指摘されています。

あり得ない誤訳や古めかしい言葉のチョイスなどで映画や原作のファンから怒りを買い、”字幕の女王”から”誤訳の女王”とまで言われるようになってしまった戸田奈津子さん。数々の誤訳の中でも特に大きな騒動となった件についてまとめてみました。

映画「ロード・オブ・ザ・リング」の誤訳騒動

戸田奈津子さんの誤訳騒動の中で一番話題になった映画は2001年に公開された『ロード・オブ・ザ・リング』でした。戸田奈津子さんはこの映画の字幕翻訳を担当しています。世界中で大ヒットしたJ・R・Rトールキンの「指輪物語」を映画化したファンタジー超大作です。

3部作で構成された『ロード・オブ・ザ・リング』の1作目が公開された際、あまりにも誤訳が多いことや登場人物の口調や敬称が統一されていないなど、原作の世界観を壊す内容にファンから批判の声が相次ぎました。

字幕版と同時に公開された日本語吹き替え版の翻訳が高評価だったことからも、字幕翻訳に対する落胆の声が更に深まることになってしまいました。『ロード・オブ・ザ・リング』の原作者は、固有名詞が多いこの作品は翻訳がかなり難しくなるだろうと思い、”翻訳の手引き”を用意していたそう。

しかし戸田奈津子さんはこれに目を通さずに翻訳してしまったのだとか。それにより原作の世界観を壊すようなセリフや吹き替え版とはかけ離れた誤訳をしてしまいファンの反感を買うことになりました。

『ロード・オブ・ザ・リング』で戸田奈津子さんが誤訳し批判されたセリフの例を挙げてみましょう。「Good evening,little Masters」というこのセリフは直訳すると「こんばんは、小さい旦那方」となりますが、戸田奈津子さんの翻訳では「チッコイお客だな」となっています。

ホビットと人間が共存し小さい人を見慣れているはずの人間が珍しがっている、または見下しているような表現になっていて原作を知っている人には違和感のある表現でしょう。

フロドが言った「You are not yourself!」というセリフは直訳すると「あなたは、あなたじゃなくなっている!」となりますが、戸田奈津子さんの字幕では「嘘をつくな」となっています。フロドの口調にしては乱暴すぎる、なぜそうなってしまったかについての背景が見えないという批判に繋がりました。

”The light of Earendil"は”エアレンディルの光”となりますが、戸田奈津子さんは”エレンディルの光”と誤訳しています。作品の中でも”エアレンディル”と”エレンディル”は別人として出てきているにも関わらず、人物名を間違ってしまうとは映画ファンが怒るのも無理はないのかも知れません。

有名映画翻訳家から誤訳の女王に急変?

戸田奈津子さんは字幕の女王と呼ばれる程、数々の映画の翻訳を担当していましたが、『ロード・オブ・ザ・リング』の誤訳騒動を機に誤訳の女王と呼ばれるようになってしまったのです。

映画ファンが戸田奈津子降板署名運動

『ロード・オブ・ザ・リング』の映画ファンから「戸田奈津子をこの作品の字幕翻訳から外すべき」「字幕翻訳を修正して欲しい」との要望が集まり、戸田奈津子さん降板署名運動が起こります。署名は映画配給元の日本ヘラルドへ届けられました。またこの一連の誤訳騒動は新聞や雑誌などにも取り上げられ、抗議の声が各方面まで届くことになりました。

ピータージャクソン監督は抗議の声を受け、2作目以降の日本語字幕翻訳の担当者を変更する意向を示しました。しかし、日本ヘラルドは監督の意向を”寝耳に水””確認中”と発表。その後戸田奈津子さんは降板することなく2作目以降の「ロード・オブ・ザ・リング」でも字幕翻訳を担当することになったのです。
 

戸田奈津子さんが引き続き字幕翻訳を担当することになった2作目以降では、『ロード・オブ・ザ・リング』原作本の共同翻訳者田中明子氏が全訳し、全訳から戸田奈津子さんが日本語字幕版原稿の作成をするという異例の翻訳作業が行われました。

2作目以降の字幕翻訳は大幅に改善されましたが、誤訳があったことを認めない日本ヘラルドや戸田奈津子さんに対しての抗議の声は止まず、『ロード・オブ・ザ・リング』公式サイト上の掲示板には批判が殺到。サイトはサーバートラブルという名目で閉鎖され、再開することはありませんでした。

誤訳は病気が関係という噂も

戸田奈津子さんの誤訳にはある病気が関係しているのでは?という声もあります。それは加齢黄班変性という病気です。この病気は目の中の、物を見る時に重要な黄班という組織が異常を起こしてしまうというもの。

加齢により誰もがかかる可能性のある病で、戸田奈津子さんはこの病気により左目の視力を失ってしまったと告白しています。戸田奈津子さんは長年字幕翻訳という仕事に携わっていて目を酷使していることで発症してしまったのかも知れません。

誤訳と言われるのは翻訳の特徴が関係か

誤訳で批判を受けていることについて戸田奈津子さんは、「そもそも映画の翻訳というのは字数や色んな制約があって、そのまま直訳しても文章にならないし、意味が通じないの。だからある程度の意訳は必要なのよ。」と語っています。

『ロード・オブ・ザ・リング』の誤訳については、”原作の翻訳がされてから数十年が経ち、その間に言葉は変わる、現代の観客が違和感を抱かない翻訳にするのは当然”と誤訳ではなく、意訳であると弁明しています。

戸田奈津子の英語力は?

誤訳の女王と呼ばれてしまった戸田奈津子さんですが、実際の英語力はどうなのでしょうか。トムクルーズを始めハリウッドスターがこぞって通訳に戸田奈津子さんを指名したりしていますが、戸田奈津子さんはどこでどのように英語を学んだのでしょうか。戸田奈津子さんの英語力について調べてみました。

戸田奈津子は海外経験なしで英語力アップ?

戸田奈津子さんは幼い頃本を沢山読んでいて、とにかく物語の世界が好きだったと語っています。その後日本で洋画が観られるようになって戸田奈津子さんは一気に映画の世界に夢中になったのだとか。

本以外では触れられることのなかった海外の世界をリアルに映し出してくれる映画が大好きになり、高校生の時はおこづかいを貯めて映画を観に行っていたそう。就職活動の時に無意識に”映画の翻訳の仕事がしたい”と答えたことで翻訳の仕事を目指し始めたそうです。

戸田奈津子さんはそれまで一度も海外に行ったことがなく、英会話をする機会も無かったそうです。翻訳の仕事を夢見ながら一度は大企業に就職し秘書として働いていた戸田奈津子さんですが、夢が諦めきれず会社を辞め、個人的に翻訳のバイトをする日々を過ごしていました。

その後日本ユナイト映画という会社で翻訳アルバイトを始め、アメリカ本社への手紙を翻訳したり、新作のストーリーを訳したりする作業を行っていたそうです。戸田奈津子さんは学生時代に学んだ英語と映画で学んだ英語で翻訳の仕事が出来るまでになっていたのです。

生きた英語を映画から学んだ

戸田奈津子さんは学生時代に英語を学んだ他に、大好きな映画を見て生きた英語を学んだと述べています。教科書で学ぶ英語は文法や基礎的なこと、砕けた日常会話や若者言葉はすべて映画から学んだそう。英語を学びたいという気持ちよりも映画が好きで”映画で耳にする英語を知りたい”という「映画あっての英語」というモチベーションだったそうです。

トムクルーズの来日会見通訳はテンポが速い

戸田奈津子さんは翻訳家を目指して日本ユナイト映画でアルバイトをしていましたが、ある日来日する映画プロデューサーの通訳をやってくれないかとお願いされたそう。戸田奈津子さんは経験もなく戸惑いましたが、翻訳が出来るなら通訳も出来るだろうと半ば無理やりに任されることに。

緊張しながら臨んだ初通訳の仕事は、単語から文脈を読み取りなんとか乗り切ることが出来ましたが、自分ではクビになると思うくらいにひどい出来栄えだったそうです。しかし、それを機に通訳の仕事も舞い込むようになっていきました。

通訳の仕事も継続して行うようになった戸田奈津子さんは、その後来日したハリウッドスターの通訳も任されることになります。多くのハリウッドスターから信頼されている戸田奈津子さんですが、トムクルーズも通訳に戸田奈津子さんを指名する一人です。

戸田奈津子さんはトムクルーズ主演の映画の多くで字幕翻訳も担当しており、トムクルーズが来日する時は必ず戸田奈津子さんが隣で通訳するというのがお決まりのようです。

一般的に通訳を挟む場合、当事者がある程度話終えてから通訳するというスタイルが多くタイムラグが生じることが多いのですが、戸田奈津子さんとトムクルーズの場合ほぼ同時通訳のように話が進んでいきます。

テンポが早い通訳をすることによってトムクルーズ側も気持ちが途切れることなく流れるように話すことが出来るのでしょう。トムクルーズは戸田奈津子さんの誕生日にプレゼントを贈るなどプライベートでも仲がいいことは有名です。

年間映画40本以上の翻訳

映画翻訳の仕事はかなりハードなもので、字幕を付けるのに映画を数回しか観られないことやCG映画の場合どんどん絵が変わっていく中で基本的には一週間で翻訳を仕上げなければならないそうです。

戸田奈津子さんは年間40本以上の翻訳をこなしているのです。映画の内容の事前通達もなく突然依頼が入り、早急に仕上げなければならないという過酷な仕事ですが、それでもやはり映画が好きだから出来ると語っています。

戸田奈津子の評判について

トムクルーズを始め数々のハリウッドスターに信頼されている戸田奈津子さんですが、翻訳家としての評判はどうなのでしょうか。

評判①映画評論家・町山智浩の苦言とは

映画評論家の町田智浩氏は、”映画を翻訳する際、通常制作側による英語の注釈がついてくるが、戸田奈津子さんは誤訳が多すぎてその注釈を読んでいないとしか思えない”と批判しています。

評判②「マツコの知らない世界」出演時も批判?

戸田奈津子さんは「マツコの知らない世界」に出演し、字幕制作の裏側を明かしました。しかし意訳が多すぎたり誤訳の多い戸田奈津子さんに対して視聴者からは批判の声が上がりました。

評判③若手映画翻訳家の意見とは

若手翻訳家たちからは、戸田奈津子さんの仕事ぶりを批判する声や若手の仕事の機会が減ってしまうことから引退を望む声も出てきているようです。

戸田奈津子自身の理想な翻訳は?

戸田奈津子さんは、字幕を読む人に負担を与えない、俳優が自分にも分かる言葉で話しているように感じる”透明な字幕”が理想と語っています。

戸田奈津子の名言

戸田奈津子さんは今年で御年82歳。長い人生経験の中で数々の名言を残しています。その名言を幾つかご紹介していきましょう。

夢が叶うか叶わないかは五分五分

戸田奈津子さんの一つ目の名言は、「夢が叶うか叶わないかは五分五分」。”夢は必ず叶うという人がいるけれどそれは間違い、叶わない夢もある。叶わないという現実を直視することも大事”と語っています。

好きでないと長く続けられない

二つ目の名言は、「好きでないと長く続けられない」。これは過酷な翻訳の世界に身を置いている戸田奈津子さんらしい名言です。

無理をしないことも大切

三つ目の名言は、「無理をしないことも大切」。無理をして身体を壊せば何もかも台無しという思いが込められた名言です。

現実を見据えつつ好きなことに打ち込む

四つ目の名言は、「現実を見据えつつ好きなことに打ち込む」というもの。この名言は苦労はありながらも好きなことを仕事にしてきた戸田奈津子さんの気持ちが表れている名言と言えるでしょう。

戸田奈津子は誤訳もあるが日本を代表する映画翻訳家

翻訳だけでなくトムクルーズを始め数々のスターの通訳もこなす戸田奈津子さん。誤訳もありますが、日本を代表する翻訳家としてこれからの活躍も期待しましょう。

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この記事のライター
vivichan0430

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